MacBook (Early 2008) MB403J/AにWindows8 Pro x64を入れる〜その2 カスタマイズというか、8への不満と隠れた良いところ〜

古いMacBookWin8を入れる話の続き。

Windows8の最初の一般ユーザ向けリリースであるConsumper Previewを触ったとき、あまりの使い勝手の変化に衝撃を受けました。一般には、マウスで使いにくいことから大々的に配布が行われた割にはあまり盛り上がらなかった印象があります。結局、Consumer Previewでの悪い印象は、Release Previewでも変わらず、そのまま正式版リリースとなりました。

その一方で、Windows Phone 7以降のマイクロソフトは「スピード狂」で、その徹底した動作速度へのこだわりはWindows8にもしっかり受け継がれています。シングルコアのSnapdragonで最新のハイエンドAndroidにも負けないキビキビとした動作を実現したWindows Phone 7と同じようなカリカリのチューニングがWindows8にも行われており、Atom世代のネットブックでも充分快適に動作します(解像度的にWindows Storeアプリは動きませんが)。CPU、メモリ、ディスクなど全般に渡ってチューニングが行われているため、Atom Z世代のPCに入れても楽しそうなOSです(VAIO PとかVAIO Xとか)。

一般にはVistaと並ぶ失敗作、という評価になりつつあるWindows8ですが、ハードウェアの進化のスピードを無視してヘビーなOSにしてしまったVistaとは異なり、変なGUIを被せたのが不評なだけで、OS自体は「最高のWindows」と言っていいシロモノです。

今回のMacBookへのインストールでは、「8ならでは」の部分を試すのではなく、問題なく日々の環境として使えるようにしてみることにしました。

問題なのはMetroとかつて呼ばれた新しい環境の導入による使い勝手の変化と、それを強要するGUIです。そこで登場するのがClassic Shell(同様な機能を持つソフトウェアは何個かあるようです)。

このソフトウェアを使うと、ログイン後には8のスタートスクリーンを飛ばして自動でデスクトップを表示し、デスクトップにはタスクバーに貝殻のアイコンのボタンが追加されてWindows7までのようなスタートメニューが表示されます。さらにWindowsキーを押した時にこのスタートメニューを表示することも可能です。

自分の場合、Shiftを押しながらWindowsキーを押すとスタートスクリーンが表示されるようにし、Charmも表示されるようにしましたが、これらを完全に隠すことも可能になっています。

Classic Shellさえ使えば、慣れ親しんだデスクトップアプリケーションを起動するまでの手数は7までと同じになります。これならPCの買い替えを迫られた場合にも無理してWindows7のPCを探したりする必要もないかなぁ、という印象を持つほどに、この使い勝手の変化は重要でした。動作速度の点でも、SSD化の効果もあって快適に動作します。

Metro、もといWindows Storeアプリは最低限YouTubeGoogle MapsTwitterFacebookのクライアントアプリくらいは用意すべきでした。それぞれのサービス提供者が作ってくれないならば、iPhoneの初期のようにプラットフォーマーであるマイクロソフトが実装して提供すべきところです。

個人的には、ブラウザを起動してYouTubeを開くより、YouTubeアプリを開く方が便利だと感じているので、Windows8でついにPCもiPhoneのようにアプリを起点にして各種Webサービスを利用できるのかと期待していたのに、実際は基本的なサービスのアプリすらないのが現実。

OS内にGoogleFlickrのアカウントを統合的に扱うことができる仕組みはありますが、それは一時期Androidメーカーで流行ったメッセージとSNSの統合アプリのように、個々のサービスのクライアントとして考えると非常に中途半端なもの。

さらに、mixiEvernoteには純正アプリがありますが、どちらも完成度が低い。特にEvernoteは酷く、デスクトップ版から乗り換える意味が感じられません。

これらを考慮すると、現時点では「新しいスタートスクリーン」は存在意義がなく、隠してしまうのが正解だと思うのです。こんな状況ではWindows8を搭載したPCが売れないのも当然ですが、ユーザ視点ではWindows8を使わざるを得ない状況が今後発生していきます。

そんなとき、Classic Shellのようなユーティリティを使ってWindows Storeアプリの存在を隠す、というのは現実的な解と言えます。そろそろWindows8に対する「新しいユーザ体験を実現するOS」という幻想を捨て、「ただの最新Windows OS」として付き合う時期になってきているのだと思います。