IS12TをWindows Phone 7.8にアップデート&今さらレビュー

日本で唯一のWindows Phone 7.5端末であるIS12Tですが、ちゃんとWindows Phone 7.8へのアップデートがやってきました。Widows Phone 8の端末が既に発売されていますが、7.5の端末は8へはアップグレードできません。7.8はWindows Phone 8へアップデートができない7.5ユーザに対し、8ライクなUIの一部を提供するものになっています。

で、7.5から7.8へのアップデート内容は4つほどあるみたいなんですけど、実際のところは、変わったと気づくのは次の2つくらいですね。

まずはロック画面です。bingに合わせて背景画像が毎日変わります。メインの端末ではなくほとんどカスタマイズしてないので、これは結構楽しくて良い感じ。
DSC_0559.JPG


次はホーム画面。上2段の小さいボタン。これが新機能。ボタンを小さく出来るようになりました。これまでは2列しか並べられなくてスクロールが必須だったので使いやすくなりました。
DSC_0561.JPG


結局、見た目をちょこっと弄っただけの7.8なのですが、IS12Tは結構気に入っています。何度か登場しているので既に書いた部分もあるのですが、まとめの意味でも軽くレビューしてみます。

Windows Phone 7.5Windows Mobileと同じWindows CEカーネルをベースとしつつも、タッチ操作に適した新しいUIを採用したスマートフォン向けのプラットフォームでした。基本的にはQualcommの第1世代および第2世代Snapdragon専用で、iOSと同じく特定のSoCに特化してチューニングすることで快適に動作することを目指しています。

IS12Tが発売されたのは2011年8月。Android 4.0の発表とiPhone 4Sの発売が2011年10月ですので、IS12T発売当時AndroidはGalaxy S2がブッチギリのハイエンドである一方シングルコアのXperia acroがバンバン売れていて、iOSもシングルコアのiPhone 4でした。こう書くと、IS12Tが発売された瞬間はまだアリな感じもするわけですが、発売後すぐにデュアルコアiPhone 4Sが発表されてしまいます。

Windows Phone 7.5の話はこれくらいにしてIS12Tの話に入ると、まず良いのはサイズです。横幅はほぼiPhoneと同じ。このサイズ感のAndroid端末って割とローエンドの端末が多くて、力の入ったモデルは少ないので、この筐体にAndroidが入ったら良いのに、と思ったりしなくもない感じ。
DSC_0564.JPG
縦に伸びる前のiPhoneのサイズを意識して作られたのは間違いですが、プラスチック系の筐体なので軽いです。放り投げても壊れず、ガラケーと同じ感覚で使えるような気がします。NokiaWindows Phone端末のような派手な原色系の色については、やや好みが分かれるところ。IS12Tの色は黒と黄色とピンクなのですが、これは個人的にはあまり良い選択だと思えません。


ハードウェアボタンはWidows Phone 7のルールに従って3つ。
DSC_0567.JPG
これ加えてサイドには電源ボタン、ボリュームボタン、カメラボタンがあります。カメラは1300万画素と高画素ですが、Exmor系ではないので、画質はあまり良いものではありません。本体下部にはストラップホールがあります。クレードルを想定していないからこそ、とも言えますが、邪魔にならない位置は素晴らしい。

そして、防水。microUSBはカバーの中で充電時にはカバーを外す必要がありますが、イヤホンはキャップレス防水です。

動作速度の点では、ほとんど「引っかかる」ところがないのが良いところ。第2世代Snapdragonで、Xperia arc辺りと同じSoCなんですが、最新のAndroidにも負けない操作への追従を見せ、スクロールも速い。ただ、SoCの性能自体は低いので、Webブラウザでページを開いたりするときは結構待たされます。ブラウザの挙動も、今となっては古くさい感じ。

アプリについては国内では1機種だけしか出なかったプラットフォームであるため、ほとんど期待できません。mixiの純正アプリは最近ストアから削除されてしまいましたし、Google系サービスは純正アプリなし、その他のアプリもアップデートがあまりかかっておらず、他のプラットフォームの古いバージョンと同等、という感じ。この辺りはWindows 8と同様の悩みを抱えている感じ。

Windows Phone 7の思想はiPhoneAndroidの良いところ(とマイクロソフトが判断した部分)をミックスした感じになっていて、アプリプラットフォームの考え方自体はiPhone寄りですが、UIはどちらかというとAndroidに近いものになっています。Twitterクライアント(Rowi lite)からIEを開き、戻るボタンでTwitterクライアントに戻る、というAndroidライクな動作をしてくれます。

Bluetoothについては、HIDがないためキーボードが接続できず、PANがないためiPhoneに対するBluetoothテザリングも出来ません。この辺りはプラットフォームとしての古さからすれば、こんなもんか、というところ。ただ、A2DPで音楽を聴くことはできますし、AVRCPは文字表示対応の1.3とAndroidよりも充実。

白ロムで6000-7000円程度で購入可能ながら、32GBのストレージを搭載しているので、音楽プレーヤーとして地味にコストパフォーマンスが高い、とも言えます。音楽転送自体はWindowsだとWMP経由なのであまり使い勝手が良くありません。一方で、Mac用の同期ソフトウェアも用意されていて、そちらだとiTunesのライブラリから同期する音楽を選択することができて便利です。

iPhone5がメインなので、電話としては当然使っていないし、Bluetoothテザリングの相手にもなれないので持ち出すことはないのですが、次の2つの使い方をしています。

目覚まし時計&寝モバ端末

Windows Phone 7の「アラーム」アプリは、マナーモードとかボリュームの設定とかを無視して音が鳴ります。外でこれをやられると困ることもありそうですが、家の中の目覚まし時計端末としては非常に便利なのです。電池をバカ食いすることがないのも魅力。

寝る前に枕元に置く関係で、結果的に寝モバ端末にもなっています。WIndows Phone7には画面回転のロック機能がOSとして存在しないので、見てると画面が回転しちゃうのが惜しい。

子供のおもちゃ

現在一歳半の息子には、iOSAndroidWindows Phone 7と一通り触らせているのですが、自分で画面をオンにして、スクリーンロックを外していじれるのはWindows Phone 7だけ。画面をオフにした状態で渡しても、Windowsボタンを押してロック画面を出し、自力でロックを外して遊んでいます。iOSはスライドのロックが外せないし、AndroidのGalaxy NexusとNexus7ではそもそも電源ボタンを押して自力でロック画面に達することができません。

また、乱暴に扱われて壊れてもそれほど痛くない値段とか、ガラケー的な作りでそもそも頑丈であることも良いところ。不機嫌になった子供が投げても、iPhoneなら「やめてー!」となるところですが、IS12Tなら大丈夫そうな気がします。汚れても防水のため水洗いできる点も見逃せません。

まあ、いじっていて一番楽しそうなのはiPadなんですけどね。子供も楽しめるアプリがたくさん入っているし。

まとめ

とにかく安いので、白ロム屋さんで見つけたら買ってみると割と楽しめる端末です。同程度の値段のAndroid端末よりはずっと遊べます。我が家では、上記の通り使い道があるので、割と稼働率は高い端末です。

国内向けの発売が絶望的で、Windows Phone 7からのアップデートもできないWindows Phone 8ですが、評判は上々なよう。Windows Phone 7は充分に楽しめたし、Windows Phone 8もローエンドの端末なら解像度はIS12Tと同程度ながら2万半ばから購入可能なので、ちょっと欲しくなっていたりします。