WWDC 2013基調講演で発表されたもの

順番に行きます。

まずMacはネタ画像にしか見えないデザインのMac Proの開発発表、CPUがHaswellに変更されたMacBook Airの発表、に留まりました。まあ、日本では同時に既存機種の値上げが完了したわけですが。

MacBook Airは、Haswellになっただけでなく標準がCore i5 1.3GHzという低クロックなものとなり、バッテリ駆動時間が大幅に伸びたのが特徴的です。一方で、GPUIntel HD Graphics 5000、つまり強力なGT3コアが使われており、バッテリ駆動時間を強く意識しつつも、Display Port搭載であることを考慮したスペックになっています。車のダウンサイジングのような流れ、とも感じますが、一方でMacBook Proとの差別化のため、という感じも受けます。日本国内ではMacBook Proは完全にAirに食われていますので、MacBook Airは低消費電力にフォーカスして敢えて低クロックのCPUを搭載し、MacBook Proはしっかり強力なCPUを搭載する、となる可能性は高そう。

新しいMacBook Airは無線が11acになっており、AirMac ExtremeとTime Capsuleが新デザインになってリニューアルされています。Time Capsuleはなんか縦に長くて格好悪いですが。

Mac Proは、みんなビックリのデザインで、ゴミ箱とか色々言われておりますが、今となってはMac Proのデカい筐体って無駄ですよね。ドライブ類は結局3.5インチx4、光学ドライブx2しかないのに、ほぼエアフローのためにあんなデカい筐体になってるわけですから。本体は小さくしてストレージは高速な外部接続のをThunderboltで繋いでね、というのは割と合理的な発想だと思います。正直、デザインはあまり趣味が良いとは思いませんが。

Mac Proには4Kディスプレイを3台繋ぐことができる、ということが発表されています。当然、次のMacBook Proも一部はThunderbolt 2が搭載され、1〜2台の4Kディスプレイを接続可能となることが想定されます。Intel内蔵チップではMac OSの高いGPU負荷に対して4Kはちょっと厳しいかもしれませんが、ディスクリートGPUモデルなら充分イケるはず。秋にはPC(Mac)にも4Kディスプレイの世界がやってくる、というのは非常に楽しみ。

Mac OS Xはついに猫科動物の名前シリーズが終了し、カリフォルニアの地名シリーズになって次世代はMarvericksという名前になります。どれも地味な改良点ばかりのようですが、これまでMirroringにフォーカスされていたMacのAirPlayが、マルチディスプレイとして活用可能になったのはちょっと心惹かれます。Apple TVの1080pモデルが今回10400円に値上げになっているので、8800円で買えるところがあるうちに1台確保しておくかなぁ。

iOSの最新版iOS7は噂通りのフラットデザインに。ところどころに他のモバイルプラットフォームに対する「オマージュ」が見られるのは気になるところですが、ユーザ視点では基本的に「使い慣れた人がより使いやすくなる」改良という印象。見た目の変更はおそらくおまけです。

ただ、設定項目のON/OFFへのショートカットとなるControl Centerは、画面下からのスワイプ、という起動方法が採用されており、フリック入力との相性が非常に悪い、という話が聞こえてきますので、発売までに修正されると信じたいところ。

クラウド関連ではWeb版iWorkiTunes radio。Web版iWorkはそれなんてGoogleドキュ(以下略)という印象ですが、SafariだけでなくIEChromeへ対応、というのは気になるところ。iTunes radioは広告付きなら無料、ということで、曲のラインナップ次第では従来のサブスクリプション系サービスから悲鳴が上がりそう。日本に来るかなぁ。

ジョブズがいなくなった、ことから、どうしても悪く見てしまいがちなのですが、まあ、基本はApple Loverなので、変な批判は書かず、素直にMarvericksとiOS7のリリースを待つことにしたいと思います。