ギズモショップの「Industar-61 L/D 55mm f/2.8 for ミラーレス」、試写編。
場所は新宿御苑と、いつもの東京駅周辺で、ボディは全てNEX-6で、JPEG撮って出し、です。
自分が「オールドレンズ」に求めるものってなんだろう?と考えてみて、全体的にハイキー気味になるように意識して撮ってきました。
このレンズ、絞り開放のF2.8で光源から光が斜め入るような構図にすると、ハレーションが発生し、コントラストもかなり落ちます。これはレンズの「味」として積極的に使っていく方が楽しいと思います。
最短撮影距離は1m。現代のレンズからすると全然寄れませんが、このレンズはレンジファインダーカメラ用に設計されたもの。レンジファインダーカメラの構造から、撮影距離が近すぎるとフレーミングができません。そういう事情から、寄れないように作られているのでしょう。
絞りをF4よりも絞り込むと、割と普通に写ります。ただ、普段メインで使っているSEL1670Zは、かなりコントラストの高い、濃い目の色が出るレンズ。絞りを開くほど褪せた感じの色が出るのはIndustart-61の写りは、新鮮に感じました。
色かぶり感やコントラストはあとからいじることもできますが、EVFでその効果(影響)を確認しがら撮影するのはなかなか楽しい。
APS-Cで使っている限りでは、トイレンズのような口径食によるトンネル効果は得られませんが、シャープ過ぎることなく、少し絞り、強い光源が入らないようにすれば、色味は自然なものとなります。リラックスした散歩に持ち出すにはぴったりかもしれません。
一方で、ちょっと面白いと感じたのは、夜の東京駅赤レンガ駅舎を撮影した時。
現代の照明技術によって照らされた都心の風景は、20年以上前のレンズをもってしても、ほとんど変わらないのでした。
この日は、α6300とSEL70300Gの組み合わせと、NEX-6とIndustar-61の組み合わせを持っていたのですが、公園の散歩ではIndustar-61での撮影が楽しかったですね。休日の新宿御苑は人でいっぱいですが、それでも新宿駅の周りとは大きく違う、ゆっくりとした時間が流れていて、その空気を、良い感じに写しとってくれたように思います。
オールドレンズがちょっと気になっているミラーレスカメラユーザーの方は、とりあえず一本買っちゃえば良いと思います。安いですし、いつまで在庫があるかわかりませんから。
ちなみに、レンズを注文してから届くまで一ヶ月以上かかったんですけど、その間にネットでロシアレンズのことを調べていると、別のレンズも欲しくなりまして、思い切ってeBayで一本買ってしまいました。
この写真の右側のレンズなんですが、それはまた、次の機会ということで。