Lマウントアライアンス

1ヶ月ほど前から噂に上がっていたパナソニックの35mmフルサイズカメラは、ライカSLシリーズに使用されているLマウント上でライカパナソニック、シグマがそれぞれ製品を出す「Lマウントアライアンス」という枠組みの中で登場してくることになりました。

センサー・半導体を独自に開発する能力を持ち、レンズについても評判は悪くないパナソニックですが、レンズ交換式カメラについていえば長らく「低迷」と言って良い状態が続いていました。技術はあるが、売り方がどうもズレている、というのが僕の個人的なパナソニックのカメラに対するイメージで、この状況で今になってフルサイズに参入、というのはやや正気の沙汰ではないような気もしましたが、動画撮影を強化したGH4の成功以降は、プロ向けの市場で一定の成功を収めているようです。

この記事、「カンパニー・事業部制の組織の中で事業部ごとカンパニーを移動」「投資しないなら事業撤退」とか、なかなかすごい話も出ているのですが、パナソニックのフルサイズカメラとしては「動画撮影を行うプロ向けを中心としてシェア10%」というのが狙いとされています。このあたり、最初からキヤノンニコンソニーと真っ向勝負する気はない、ということでもあり、レンズのラインナップも趣味的な要素よりも、とにかくプロに必要とされるレンズを順に用意することが重視されていくでしょう。

一般ユーザの視点で言えば、ビデオ撮影を重視しない層にとってはちょっとマニアックな選択肢、という今のパナソニックのm4/3カメラと同じような立ち位置が維持されそうです。

一方でシグマはLマウントでの35mmフルサイズFoveonセンサーのカメラと既存の単焦点レンズ群のLマウント版、LマウントとSA/EFマウントのコンバーターを開発することを発表しています。

「ついにFoveonセンサーでもフルサイズが!」という驚きはありますが、レンズなどについては現状のEマウント相当のレンズやコンバーターが揃う、という形にとどまっています。フルサイズのミラーレス専用設計のレンズの1本くらいご祝儀で発表してもいいんじゃないか?という感じもしますが、レンズメーカーとしての事業を堅実に進めつつ、新たなカメラボディをプラットフォームとしてLマウントを利用する、という感じでしょうか。

面白いのはAPS-Cおよびマイクロフォーサーズ向けのDC DNシリーズもレンズラインナップに入っていることで、これらのレンズがライカAPS-CセンサーカメラであるTL/CLシリーズ向けなのか、それとも、廉価ボディとしてLマウントでAPS-Cセンサーを搭載したモデルを発売するのか、というところも気になります。もし、APS-CのFoveonセンサーを搭載したLマウントのカメラを発売した場合、最も安価に入手が可能なLマウントのボディになりそうです。

とにもかくにも、フルサイズミラーレスカメラはとりあえずこれで役者は揃った感じがしなくもありません。

もし買うとしたら既存の資産ベースでα7シリーズになりそうではあるんですが、僕が一番気になっているのはNikon Zマウントなんですよねぇ。レンズ安くて絞り開放からよく写りそうで、良いと思うんだけどなぁ。なんでみんなあんなに叩くかなぁ。