Retina MacBook Pro MC976J/A購入

2010年5月に購入したMacBook Pro 15" MC371J/A(Mid 2010、店頭下位モデル)からの買い替え。今回は店頭販売モデルのうちの最上位モデルとなる、Retina MacBook Pro 15" MC976J/Aを購入しました。購入したのは1ヶ月ほど前になります。

お値段は某Y電機系列のお店で1万円引き+1x%還元で実質20万円台、というところ。定価238,800円なので、Macにしては結構な割引率になります。

最初に買ったMacBookが2008年3月、前MacBook Proが2010年5月、今回が2012年7月なので、大体2年2ヶ月に一回買い替えていることになります。まあ、Retina MacBook Proのレビューは皆さん読み飽きたかと思いますが、そこら辺は空気を読まずに行きます。

写真について、並んでる場合は基本的に左がRetina MacBook Pro、右がMid 2010 MacBook Proとなります。筐体デザインについては、Mid 2010はThunderboltポートがmini DisplayPort(形状は一緒)であること、キーボードが旧OS仕様のマーキングであることを除けば、基本的には現行の通常タイプのMacBook Pro 15インチと同等です。
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大きさは重さとか厚みとか

幅と奥行きはほとんど誤差の範囲ですが、高さは約6mm薄く、重さは500g程軽くなっています。

  • 通常のMBP 15" - 高さ:2.41 cm、幅:36.4 cm、奥行き:24.9 cm、重量:2.56 kg
  • Retina MBP 15" - 高さ:1.8 cm、幅:35.89 cm、奥行き:24.71 cm、重量:2.02 kg

薄く、軽くなったとはいえ、基本的なデザインコンセプトは一緒。画面を覗く体制で使っている限り、それほど大きな違いを感じません。画面中央のMacBook Proロゴはなくなり、本体裏側に回っています。
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軽量化・薄型化はディスプレイが一体パーツになったこと、光学ドライブとHDDがなくなって専用のSSDのみになったこと、が効いているようです。2kgというのは決して軽いとは思えないのですが、片手で持ちやすくなったのは確か。これに慣れてから旧型を持つと重くてびっくりします。

薄さについては、最厚部でMacBook Airとほとんど一緒、というのがウリになっていますが、特に感動せず。個人的にはもっと厚くていいので、256GBくらいのSSDに1GBくらいのHDDという方が、使い勝手が良いです。

このサイズに45WのクアッドコアCPUとミドルレンジのディスクリートGPUが入っているのは驚き、と言いたいところではあるのですが、このあたりってメーカーの設計基準によるんですよねぇ。Retina MBPは負荷がかかるとファンはガンガン回るし、Mid 2010と同様に筐体左上側がかなり熱くなります。

また、これはまで背面吸排気だったのが、本体の側面(左右)にある穴から吸って、背面から排気するように変更されています。
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冷却面ではこうした方が有利なはずで、これは改良、と言っていいところですね。

Retinaディスプレイ

これまで使っていたMid 2010は店頭下位モデルなので15.4インチ1440x900ドットでしたが、Retina MBPは同じサイズで縦横2倍の2880x1800ドット。U2711や30インチCinemaを超える広いデスクトップが…というわけではなく、基本的には、新しいiPadなどと同様に縦横2倍にスケーリングとなり、対応アプリでは解像度の違い吸収してシステムが綺麗に文字や画像をレンダリングしてくれる、という仕組みです。
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ただし、iOSバイスとは違い、単純な縦横2倍以外のスケーリングも行うことができます。縦横2倍だけだと、デスクトップの広さは全く変わらなくなってしまい、PC的な観点では高解像度を生かせません。最大でWUXGA(1920x1200ドット)相当のデスクトップサイズに設定できます。
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15.4インチでWUXGAという解像度は、Windowsでもよくある解像度ですので、文字サイズを考慮した結果でしょう。2880x1800ドット相当、つまりディスプレイ自体の解像度と同じように変更してくれるユーティリティもあるそうですが、さすがに文字が小さすぎて実用にならない、とのこと。

高解像度好きな自分としては、当然WUXGA相当にして使っています。標準でRetina対応もアプリもありますが、Mozilla系はRetinalizerを使えば解決できますし、整数倍以外でのスケーリングの滲みよりも画面の広さのメリット享受できた方が、僕はありがたいです。

外部映像出力ポート

これまで、MacBookは外部ディスプレイ出力ポートを1つしか持っていませんでした。一応、Thunderboltポートを搭載した15インチ以上のMacBook Proでは、Apple純正のThunderboltディスプレイをデイジーチェーンすることで2台接続することができましたが、非常に敷居が高かった。

Retina MBPでは、本体左側のThunderboltポート(兼mini Display Port)が2本に増え、さらに本体右側にHDMI端子まで搭載し、本体ディスプレイを含めた4画面構成が(ディスプレイさえあれば)割と簡単にできます。

これまで、Mid 2010で3画面にするためにDisplay Link社のUSBディスプレイアダプタを使っていたのですが、性能的に動画は不可能で、ドライバもOSのアップデートのたびに不具合が起きていました(Appleのサポートがないので仕方ないのですが)。Retina MBPではGPUもKepler世代のものになっていますので、3画面にしても性能面の問題もなく快適に使えます。

さらに良くできているのは、本体のRetinaディスプレイでスケーリングが行われていても、そのウインドウをそのまま違うディスプレイに移動できることです。つまり、システム的に映像出力の解像度と、レンダリングの解像度は分離されている、ということ。現行のWindowsのDPI値変更は違う考え方で実装されており、すべてのディスプレイが同じDPI値に設定されます。Windowsだと、本体のディスプレイが細かすぎるからと文字のサイズを大きくすると、外部ディスプレイの文字サイズも大きくなってしまうのですが、Retina MBPではこういったことは起きません。Windows 8のMetroアプリではこの問題は解決するそうですが、旧来のデスクトップアプリでは8になってもダメなままのようです。

ドットピッチが大きく異なるディスプレイを並べる場合にはMacOS Xの方がすぐれていると言えます。

キーボードとトラックパッド

キーボードについて、独立した電源ボタンがなくなり、MacBook Airと同様にキーボードの右上配置になりました。Airで使っていた感覚だと、間違えて押すことはそんなにないです。キータッチは、筐体の剛性が良いので撓む感じなどはないのですが、Mid 2010もRetina MBPも、決して気持ちのいいものではない、という印象を持っています。キーストロークはMid 2010比でもかなり浅くなっています。薄型化の影響ですね。

トラックパッドは、押したときの感触は違う感じですが(並べて比較しないとわからない)、サイズも使い勝手もほぼ一緒。日本語キーボードだとセンターからずれますが、相変わらず使いやすく、気持ちのいいポインティングデバイスです。

その他ポート類

外部映像出力関連のポートは既に述べましたが、これまで本体左側に全て並んでいたポートが左右に分散されています(写真は上に乗っているのがRetina MBPです)。
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USBは相変わらず2ポートしかありませんが、IvyBridge世代から全部USB 3.0になり、FireWire 800ポートが廃止されました(僕は使ってないので不要)。有線LANポートもなくなり、新たにThunderboltポートに接続するGigabit Ethernetアダプタが発売されました。あと、音声関連のポートはついにAirやPro 13"と同様の入出力兼用タイプになりました。SDカードスロットは右側に移りましたが残りました。

あと、電源ポートがRetina MBPと今回のAirからMagSafe2と呼ばれる薄型のものに変更になりました。旧来のMagSafe ACアダプタユーザ向けには変換アダプタが980円で用意されており、1個買ってきました。コネクタが横に延びるタイプに戻ったことが一部批判の対象になっていたようですが、Mid 2010付属のものは後ろに延びるタイプでさくっと断線しちゃって、横に延びる古いタイプは全部現役なので、こちらの方が良いのかなぁ、という印象。

なお、MagSafe2からMagSafeへの変換はいまのところ行えません。変換アダプタが必要になってしまったのは、やっぱりちょっと残念なところ。

本体スピーカー

マカー的な観点だと、「MacWindowsノートPCと違って本体スピーカーにも手を抜かないんだ」とか言いたくなるところっぽいのですが、個人的には割とどうでもいい。でも、本体筐体が小さくなって音が軽い感じになった気がします。相変わらずなかなかの音で鳴ってくれますので、非常用としては良い感じ。安いBluetoothスピーカー(←最近気になっている)買うのを躊躇させるくらいの音ではあります。

総評

メインのノートPCは2年に一回買い替えよう、と思っていて、今回もそれに従って買い替えたのですが、今回はたまたまフルモデルチェンジに当たり、Retina MacBook Proを購入することができました。

Macを買い替え続けている理由として、システム移行アシスタントというツールを使うと、iPhoneのように、かなり簡単に古いMacから新しいMacへの移行ができることがあります。トラブルは起きるものの、それなりの知識があれば回避できます。今回も一部データの移行を除けば、購入した日の夜にはRetina MBPをメインで使い始めていました。

なお、RetinaディスプレイはLG製と言われていて、これがシャープのIGZOだったら…と思うところもありますが、CPU、GPUについては最先端プロセスのパーツが組み込まれています。また、店頭モデルではメモリが8GBで増設不可、という問題はありますが、(安いところを探せば)実質20万円ちょっとで購入できるノートPCとして、非常に満足度の高いPCと言えます。

これまで、SSD+HDD構成だったため写真を全部MacBook Pro本体に入れておくことができたのですが、今回は上位モデルの512GBでもちょっと厳しい。BTOで768GBにしちゃうとさすがに出費に厳しいので、素直にUSB 3.0のポータブルHDDを購入しました。

この辺りの移行作業は、また別のエントリーでまとめたいと思います。