コンパクトデジカメ買い替え戦略〜その2 カシオ EXILIM EX-ZR1000購入レビュー〜

前回の続き、予算2万円のコンパクトデジカメ購入計画。候補はいくつかあったのですが、結局選んだのはコレです。

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カシオ EXILIM EX-ZR1000。35mm換算で24-300mm相当の光学12.5倍ズームレンズを搭載した、1/2.3型裏面照射型CMSセンサ搭載の「高倍率ズーム機」です。2万円で買える理由は、後継機のEX-ZR1100が出たから。光学系の基本コンポーネントは一緒のようで、新機能の5軸 HS手ブレ補正はおそらく画像処理によるものと思われます。
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レンズのスペックを考えると、かなり大柄なボディなのですが、それは下記のような機能の代償で、仕方がないこと、と言えるでしょう。

  • バリアングル液晶などのギミック
  • ズーム操作、その他の高速レスポンス
  • 連写して合成、を基本とした強力な画像処理
  • レンズ鏡筒周りのファンクションリング(Poweshot SやRX100などに付いてるのと同じアレです)
  • 大容量バッテリ

最近のデジカメと同様、充電器は付いておらず、ケーブルでの充電です。しかも、カメラ側の端子はmicroUSBなどの汎用のものではなく、専用形状のもの。これは許しがたい。ただ、1800mAhと大容量の電池なので一度充電してしまえばかなり持ちます。これは素晴らしい。

また、レスポンスは良いものの、撮影後の後処理には結構時間がかかり、撮影後すぐにアフタービューできないことが多いです。これは、フルオートでも積極的に連写と合成処理を行う関係上仕方がないところもあります。

フルオートで合成、って例えばどういうことかというと、例えば下の写真(ちなみに、この記事でEX-ZR1000で撮った写真はこれしか出てきません)。
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これ、電車の正面がちょっと変な色で写ってますが、実際は橋上駅舎の下を走っていて、肉眼だとほぼ真っ黒なのです。これを連写と合成でこうやって仕上げてしまうのです。不自然さは残りますが、フルオートのコンパクトデジカメとしてアリ。

ただ、基本的には1/2.3型センサ機なので、画質についてはそれなり、特徴的なバリアングル液晶などのギミックについて話していきます。

液晶ディスプレイは、あまりスムーズとは言えませんが、180度まで回転し、自分撮りも可能です。
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また、ディスプレイの裏には「スタンド」が付いていて、斜め上にレンズを向けて立たせることができます。
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液晶の開き方次第では、縦向きに立たせることもできます。
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一方で、EX-ZR1000の液晶は、NEX-5Rなどと違って、液晶上側を引き出し下からのぞき込むような形に動かすことはできません。では、上から撮りたいときはどうすれば良いかというと、こうすれば良いのです。
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液晶を下から上に引き出した上で、カメラをひっくり返してしまえばいいわけです。上の写真、ボタンの文字は上下逆になっていて、反対向きに置いていることはわかると思いますが、液晶を見ていただくと、ちゃんと表示が上下に反転しており、このまま撮影すれば、ちゃんと写真も上下反転した状態で記録されます。良く出来てる。

そんなわけで、出てくる映像自体は普通のコンパクトデジカメなのですが、フルオートのやり過ぎ感と、液晶周りのギミック、バッテリの持ちの良さなどで、割と気に入ったEX-ZR1000。これはこれでアリだと思います。

実は画質重視でCOOLPIX P330ってのも考えました。こっちはEX-ZR1000と真逆なカメラ。1/1.7型CMOSセンサで画質重視ではあるけど、ものすごくレスポンスが遅いカメラ。画質の評判は良いようなので、2万円で買えるならば、我慢しても良いかもしれませんよ。

でも、これらのカメラが2万円で買えちゃう、というのは、やっぱり市場としては問題と言わざるを得ないのかもしれません。高級価格帯は好調、とは言いますが、ローエンドの一眼レフの標準ズームキットよりも高いコンパクトデジカメがバンバン売れてしまう状態がいつまでも続くとは思えませんし、なかなか厳しいですね。