XBA-1SLの話(MDR-EX800STレビューの枕)


通勤時に音楽を聴くときのイヤホンは、Bluetoothオーディオレシーバーを導入してからはショートコード(ケーブルの長さが60cm以下)のものを使うようになりました。クリップで胸の辺りに留めてしまうので、長さが短い方が便利、というわけです。

昔はワイヤードリモコン付きのウォークマンを使っている人が多かったので、ショートコードのイヤホンって結構多かったはずなのですが、iPodが市場を席巻し、ウォークマンからリモコンがなくなってからはまた1.2m程度の長いイヤホンが主流になりました。

ここ数年はソニーMDR-EX500SLを使っていました。ショートコードであること、遮音性が高すぎないこと、歩いたときの振動が伝わりにくいこと、というのが主な理由。音質については、やや低音が効き過ぎている感じはあるものの、ソニーらしくて良い音でした。

そんな中、出てきたのがソニー初のBA(バランスドアーマチュア)型イヤホンであるXBAシリーズ。iPhone用のリモコンが付属したモデルもありますが、通常モデルは延長コードが付属したショートコードタイプ。発売前に試聴した人の多くからはあまり良い評判が聞こえてこなかった、、、のは確かだし、僕もソニービルに聴きに行って若干の違和感があったのは事実なのですが、MDR-EX500SLがボロボロになってきていたので、一番安くて癖がないという感想の多かったXBA-1SL買ってみました。

ほぼ発売日に購入し、2ヶ月程使ってきたのですが、どうもいまいち。使い勝手の面では、これまでのソニーのイヤホンと違って、完全に耳の奥まで差し込むように装着する作りになっていて、海外製のイヤホンと同様に歩いたときの振動が伝わりやすい問題があります。音の解像度の点でも、値段なりな感じがどうしても拭えませんでした。こんな音の違いまで聞き取れる、という嬉しさ、楽しさが全然ありません。かといって、これといって特徴的な部分があるわけでもない。 うーん。

まあ、なんだかんだでソニー製BAの初代機ですからね。ソニーカナル型イヤホンが、MDR-EX70、MDR-EX71、MDR-EQ1、MDR-EX90と4代目にしてやっと音質的な評価を得るに至ったことを考えれば、今後に期待するのが正しいスタンスなのかもしれません。

で、XBA-1SLに払った分は「勉強代」と思うことにして、「MDR-EX500SLに戻すか、壊れたら安くなってるからMDR-EX500SLを買い直せばいいか」と思った瞬間に思い出したのです。MDR-EXシリーズでありながらプロ用として販売されている、MDR-EX800STの存在を(続く)。



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