MDR-XB90EX購入、メインではないが「あと1個」のイヤホンの有力な選択肢

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家ではEtymotic ResearchのER-4S、外ではSONYのMDR-EX800STに大きな不満はないのですけど、どちらも割と大人しい音の性格を持ったイヤホンなので、ちょっと毛色の違うイヤホン・ヘッドホンも持っておきたいなぁ、と思っていました。

まあ、それなりの値段のイヤホンはこの2つ以外にも結構持ってる(XBA-1SLとか5.proとか)んですけど、どれも気に入らなくて。

で、外出時も含めた使い勝手が良いのはソニーなので、ソニーのイヤホンの中で明らかにメインストリームとは違う性格を与えられながらも、評判の良いMDR-XB90EXを買ってみることにしました。価格はネット通販だと6000円台後半、というところですが、量販店だと7000〜8000円台。今のイヤホン売れ筋は5000円以下だと言われていて、ハイエンドだと20000円越えも普通な中では、中途半端な値段とも言えます。
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MDR-XB90EXは、重低音の再生にこだわったXBシリーズと呼ばれるイヤホン・ヘッドホンの中の1モデル。XBシリーズのイヤホンではシリーズ最上位モデルとなり、16mmのダイナミック型のドライバを搭載。基本的にはMDR-EXシリーズのイヤホンに近い設計のイヤホンですが、同価格帯のMDR-EX510SLでは13.5mmドライバなのに対し、MDR-EX600/800ST/1000などのハイエンドと同サイズの16mmドライバを搭載していることは特筆されます。ハウジングの一部にアルミを使っていることも含め、それほど目立ったプロモーションはされていないものの、実際はかなり力の入ったイヤホンなのかもしれません。

最近のソニーのイヤホン・ヘッドホンは低音重視のXBシリーズに限らず「低域」の再生にこだわっているように感じます。バランスドアーマチュアドライバのXBAシリーズしかり、MDR-1Rシリーズしかり、腰の据わった低音をしっかり鳴らしてきます。その一方で、高音の煌びやかさなどは重視されていない印象で、どちらもあまり好みではありませんでした。

普段聴いてる曲って、あんまり低音が入ってない音楽や、90年代の音楽が結構多いので、視聴でiPhoneiPodを繋いで聴くときもそういう曲を使うのですね。でも、MDR-XB90EXを買って、自分の家でじっくりと色々な音楽を聴いてみて、最近のソニーの設計思想を少し理解できたような気がしました(まあ、それでもXBAシリーズやMDR-1Rが好みじゃない、ことには変わりはないのですが)。

Perfumeとか元気ロケッツとかSuperflyとかをXB90EXで聴いてると、普段使ってるEX800STとは大きく違ったバランスで聴こえます。ビートが強く、なおかつソリッドに響いてくる。これはEX800STやER-4Sでは味わえない感覚。それでいて、低音以外の音についても、ちょっと値段の差は感じるところはあるものの、悪くない音で鳴らしてくれるのがXB90EXのいいところ。

一方で、90年代J-POPとか全然低音が入ってない音源とか聴いてると、普通の大人しいイヤホンになってしまいます。これはこれで聴けるので、普段使いとしてはなんとか合格点ではあります。

ケーブルは1.2mで、iPhoneにケースを付けた場合にも刺さる細身のプラグになっています。Bluetoothレシーバー使いとしてはショートコードの方が嬉しいんですけど、こればかりは時代の流れとして仕方ないかなぁ、というところ。
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ケーブル自体はコード表面の細かい溝によりからみの原因である摩擦を低減するセレーションコードを採用しています。確かに、普通のイヤホンケーブルよりは絡みにくい気もしますが、まあ、絡むときは絡む感じ。
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一点、期待はずれだったのが、付けていて密閉感が高いこと。MDR-EXシリーズの利点を、カナル型にも関わらず密閉感が低く圧迫感が少ないこと、だと感じていた自分としてはちょっと予想外でした。これは低音を重視した設計の結果かもしれません。

そんなわけで、メインのER-4SやMDR-EX800STに加える「あと1個」のイヤホンとして、MDR-XB90EX、音質面ではかなり気に入りました。オススメです。

こうなると、やっぱり90年代設計のヘッドホンも買って比べたくなるなぁ。