Wi-FiポータブルルータNEC AtermW300P

実家に帰ったときなど、家の外で使う無線LAN APとしてPlanex製のMZK-MF300Nを使っていました。

これはルータ、AP、無線LANコンバータの3つのモードを切り替えられる、という割と高機能なモデルなんですが、モード切替のハードウェアスイッチがあってこれを適当に切り替えると設定がリセットされる、USB給電するためには専用のケーブルが必要、など使い勝手が悪かったため、買い替えることにしました。

調べてみるとNECアクセステクニカから下のような製品が出ていたので買ってみました。

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機能としてはルータと無線APのみで、主にルータとして動かすことを想定して作られた製品です。

無線LANルータとして無線のLANネットワークを組みつつ、無線でWANに接続できるようになっています。WANの接続先は最大8個まで登録でき、接続の優先度も設定できます。接続先として家の無線LAN、ホテルの無線LANスマートフォンテザリングのAPなどを登録しておいて、なるべく通信コストを下げるように制御できる、というわけです。

3Gモデム内蔵のポータブルWiFiルータなどを使用している方もいるかと思いますが、これらの機器ではLAN内での通信ができなかったりすることもあるようなので、外で簡単にLANを組むためのデバイスとしても便利に使えます。こういう用途は特殊かもしれませんが、モバイルバッテリーやChromeCast、スマートフォンとホテルのTVや会議室のプロジェクター(HDMI付き)と組み合わせて簡易WiFiモニタとして使う、なんてこともできます。

なお、ルータとして動かしたとき、LAN側は192.168.10.0というネットワークアドレスになります。ルータとして動くときのW300PのIPアドレスは192.168.10.1になっており、設定変更などを行うページへのアクセスパスワードは設定されていません。このデバイスの場合、ホテルに着いたらまずLANからW300Pの設定変更ページにアクセスし、ホテルのWiFiに接続するために設定をするわけですから、パスワードなし、という割り切りは正しいと思います。

さらにいうと、このLAN側の192.168.10.0というアドレスの振り方も絶妙です。基本的にLANとWANは同じネットワークになってはいけないのですけど、W300Pは家庭やホテル、テザリングなどのLANの下に繋がるデバイスなので、それらのデバイスと同じネットワークアドレスになってはいけないのです。ちゃんと、NECアクセステクニカの家庭向け無線LANルータ(192.168.0.x)やNTTが配るTA(192.168.1.x)、高いシェアを持つバッファロー製の無線LANルータ(192.168.11.x)などのローカルネットワークアドレスを避けたものになっています。

WiFiSSIDやパスワードなどについては、本体にデフォルト設定が書かれたシールが貼ってありますので、下手に自分で設定するよりもデフォルトのままにしておいた方が使い勝手が良いでしょう。

というわけで、家の外で使う、という前提での機能面での割り切りと気配りが光るAtermW300P、オススメです。ちなみに、11acが使えるW500Pというモデルもありますが、ちょっとお高いですので、W300Pで問題ないと思います。