SIGMA dp quattroが気になる

これまでのDPシリーズというと、四角い箱に太いレンズが付いてる、という感じのデザインでしたが、今回はぶっ飛んでます。なんでグリップがレンズと反対側に伸びるのか?…これはもう、人前でバッグから出すだけで自慢できるデザインです。

ただ、カメラの厚みが「レンズ全長+フランジバッグ+液晶の厚さ」で決まることを考えると、これらから独立したグリップ部分が後ろに伸びるメリット、というのは基本的にはないはずです。グリップを持つ右手と、フォーカシング操作を行う左手の位置関係の最適化をした結果、というのはあるかもしれませんが。

今回発表されたのは30mm(35mm換算45mm相当)のレンズを搭載するdp2。レンズ自体は前のままでEマウント向けにも出てる30mmと同等でしょうから、レンズの写りは期待できます。

一方で、FoveonセンサもMerrillセンサからQuattroセンサに世代交代。ただ、このQuattroセンサについては、やや疑問の残るところが。

一般的なカメラに搭載されるセンサでは、緑だけを受光できる画素が2個と赤と青を受光できる画素がそれぞれ1個の4個の画素をセットにして、それぞれの画素で1色ずつ取り込んだあとで演算によって再び4画素を生成します。つまり、実際は4つの画素からしか1つのフルカラーピクセルを生成できないわけです。

しかし、Foveonセンサでは1つの画素にそれぞれの色の画素が積層されているため、1つの画素から1つのフルカラーピクセルが生成できる。だから、センサの見かけ上の画素数が少なくても解像感は高い、というのがウリ。

MerillセンサはサイズはAPS-Cであるものの画素数は約1530万画素が3層になっており、約4600万画素のセンサ、と宣伝しています。

APS-Cで最も画素数の多いものが2400万画素、35mmフルサイズでも3600万画素。これはもちろんベイヤー型配列の各色分を1画素とカウントしてのもの。Foveonに有利な考え方で解像感を比較すると「一般的なセンサの総画素数を1/4した画素数=Foveonセンサの1層辺りの画素数」となり、Merillセンサの方が計算上フルサイズのセンサより解像感が高い画像が生成できる、ことになる。

つまり、Merillセンサは最も高画素なセンサだからこその解像感、ということになる、と思うわけです。こう考えると、極端に高感度に弱いことも納得できる。

しかし、今回のQuattroセンサは、3層のセンサのうち1層目のBの色情報と輝度情報を取り込む部分こそ2000万画素あるものの、その下のRとGを取り込む層は490万画素となり、解像感の面での優位性はあまりないように見えます。

一方で、高感度についてはこれまでよりも期待できそうで、これまでのDPシリーズよりも普通に使える予感。デザイン的な格好良さも含めて心惹かれる部分もあるわけですが、DPシリーズを含めSIGMAのカメラそのものの完成度については、特殊なセンサだから許してね、という感じだったようで、この辺りがどう改善されているかが気になります。