4K(800万画素)のディスプレイについて考える

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今年の年始に行われたCESではフルHDの4倍の画素数を持つ4K(3840x2160ドット) のテレビが話題になりました。その一方で、4Kのコンテンツが集まるのか、ユーザが本当に必要なものなのか、などといった疑問も投げかけられました。

僕自身は、約200万画素のフルHDの倍程度の画素数を持つディスプレイに日々触れています。QHD(2560x1440ドット)の解像度を持つDELL U2711は約368万画素、15インチのRetina MacBookは2880x1800ドットで約518万画素あります。コンテンツの生成、という観点で見れば、今どきの携帯のカメラでは1000万画素を超えるもの多いですし、デジタル一眼レフではAPS-Cで1600万画素から2400万画素、フルサイズになれば3600万画素、というモデルもあります。携帯電話の場合、1000万画素あっても4Kディスプレイは生かせませんが、大型のセンサを搭載したデジタル一眼レフやミラーレスカメラでは、フルHDの倍近くの画素数のディスプレイがもたらす新しい写真体験を、割と簡単に実感することが出来ます。天気の良い日に絞って撮影したり、単焦点レンズを使って撮影したりすると、いとも簡単に200万画素のフルHDでは伝えきれない世界に達してしまいます。

カメラがある程度好きな皆さんは、フルHDのテレビを購入したとき、写真をテレビに映したりしたと思います。その時どう感じましたか?僕は思ったよりも解像感がなくてがっかりしました。そりゃそうです。ディスプレイの面積が4倍になっても、画素数自体はほとんど変わらないわけですから。

でも、4Kならば画素数も4倍になります。天気の良い日に風景を撮れば遠くの細かいものまで識別できるし、子供を撮影すれば肌の表面の様子まで感じ取ることができます。4Kによる新しい映像体験は、このように割と簡単に実感できるものになるはずです。

一方で、多くのコンパクトデジカメや携帯電話のカメラ機能で撮られた写真、小さなビデオカメラで撮られた映像コンテンツは4Kの画素数を生かすことはできません。APS-Cサイズのセンサを搭載したデジタル一眼レフやミラーレスでも、暗くなってISO感度が上がってしまうと、おそらく4Kの解像度は生かせないはずです。

このような点から、現在の4Kのデモコンテンツってどうしても天気の良い日に撮影した風景映像、になってしまうのが現実です。でも、4Kディスプレイは5万円程度で買えるデジタル一眼レフやミラーレスカメラの「本気」を印刷せずに実感できる手段であり、そう遠くない未来には5年前のフルHDハイエンドテレビくらいの値段になり、ハイエンド好きなユーザが普通に購入対象にするようになるはずです。

今のテレビを大事にしつつ、そういう時代が来るのを待てば良いじゃないか、と無邪気思う今日この頃。ま、それまでうちのテレビが持つかはちょっと怪しいけれど。