オールドデジカメでタイムスリップする〜Kodak EasyShare V570〜

デジカメWatchに「オールドデジカメの凱旋」、ITmediaには「クラシック・デジカメで遊ぶ」という古いデジタルカメラ(ボディ)に関する連載がある(どちらも最近更新がないので「あった」?)。

中古カメラ屋には基本的に古いデジカメは置いておらず、家電製品の中古店やリサイクルショップで探すものであり、新しいものでなければ、基本的には価値がほとんどない。画質面では最新の携帯にも劣り、「味」というには厳しいその古めかしい写りに価値を見出す人はそんなにいないのだろう。

でも、ずっとデジカメの進化を追いかけてきた人からすれば、当時欲しかった一台、気になっていた一台、というのは少なからず存在する。Kodak EasyShare V570は自分にとってそんなデジカメである。
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ちなみに、ソフマップで1280円(税別)だった。割と綺麗。右下にオリンピックロゴが入っているので限定のオリンピックバージョンであるらしい。

レンズが2つ見えるが、片方が35mm換算23mm相当の超広角単焦点、もう片方が35mm換算で39-117mmの3倍ズームレンズである。当時のコンパクトデジカメは28mmを「広角」と売り出していた時代なので、このサイズで「23mm(相当)」という画角に興奮を覚えた。

その感覚を思い出して買っちゃったんだけど、今となっては24mmは「普通」なので、1mm広がったところで大した差はない。いざ撮ってみると、見慣れた画角だった。
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液晶パネルの視野角は狭く、電源をOFF/ONするとフラッシュの設定も忘れ、自動発光に戻る。2006年のカメラにしてはかなりお粗末な出来である。

せっかく買ったのだからとちょっと持ち出して撮ってみたのだけど、画質は今となっては見るに耐えないものだ。
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低いコントラスト、派手な白飛び、精細感のない画像。V570が発売されたのは2006年。同じ年にはFinePix F30も発売されているが、センサがより大きく、神機と言われたコンデジと比べてしまうのはナンセンス。当時の普通のコンデジはこの程度の画質だった、ということである。
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FinePix F30の画質はなかなかだったが、その前に買ったコンデジはこんな感じだった。そんなカメラを持って、10年以上前の自分はもっと気楽に写真を楽しんでいた。

どうってことのない瞬間が記録され、いつでも見返せることを純粋に喜んでいた。
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10年前のカメラで撮ると、現代を撮っても、写真の中の色は10年前になるような気がする。

公開はしないけど、自分の子供の写真を撮れば、10年前の世界に子供がいるかのようだった。
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そんなに初心に戻る体験を得られたと思えば、また気になる古いデジカメがあったら買ってみるのも悪くないかもしれない。