DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプONKYO DAC-HA200を買ってみた〜音について、持ち歩く意味はあるか〜

ケーブル類を買い足したらレビューすると思いますが、とりあえず購入時レビューはこれで最後。最後は音について。
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ちなみに、こんな感じでリリースされたばかりのSoundCanvas for iOSMIDI再生にも使えます。

ポータブルヘッドホンアンプに価値はあるか?

体積だけ見てもiPhone5Sの2-3倍くらいあるポータブルヘッドホンアンプを持ち歩いて使うだけの価値は本当にあるのか。数日持ち歩いて使ってみた結論から言うと、NW-A16ユーザの自分としては「持ち歩く価値はある」と思います。なお、ケーブルはまだ買ってないのでNW-A16のヘッドホン端子からDAC-HA200のアナログ入力に接続して音を出しています。

NW-A16は上位機種のZX1/ZX2程ではないにせよ、音にはこだわりのある機種ですが、いかんせんヘッドホンアンプにパワーがない。MDR-EX800STでも、低音が痩せた感じの音になるし、ER-4Sになると完全にパワーが足りません。DAC-HA200から音を出すと、この「パワー不足」という問題は解決し、痩せた感じはなくなり、ER-4Sでも問題なく駆動できます。外の騒音のある環境でもその違いはわかります。

アナログ出力(それもヘッドホン端子)でも違いがわかるくらいなので、iPod classiciOSバイスとのデジタルでの接続では、内蔵のヘッドホンアンプとの違いはさらに顕著に出ます。ウォークマンスマートフォンとの接続方法はいくつかあって、それによって音も変わるので、趣味として「ハマる」気持ちもわからなくもないです。

他のポータブルヘッドホンアンプやUSB-DACとの比較

購入前、国内メーカーを中心に何機種か視聴してみましたが、同じポータブルヘッドホンアンプ同士で比較してみると、DAC-HA200よりも高価格帯のものは、より駆動しにくい、大型のヘッドホンで本領を発揮するのかなぁ、という印象を受けました。

例えばソニーのPHA-3とかは、大型のMDR-Z7との組み合わせを念頭に置いているようですし、パイオニアのXPA-700もイヤホンだと本領を発揮できていない印象を受けました。普段使ってる高級イヤホンで、もっと良い音で聴きたい、という場合、DAC-HA200は良い選択なのではないかなぁ、と思います。

一方、据え置き型のUSB-DACと比較すると、DSDや192kHz/24bit非対応など、スペック面で見劣りする点が気になります。価格帯の近い据え置き型にはDSD対応の機種もありますので、移動しないPCに接続して使うと決めているならば、据え置き型を選んだ方が良いように思います。バッテリなどの持ち運ぶための機能にコストが持って行かれている、というのは否めません。

ただ、家でも外でも使いたい、という人にとってはコストパフォーマンスの高い投資になると思います。

音質について

音質自体は、高音は煌びやかに、低音は量感はそれなりだがくっきりはっきりと聴かせます。

ハイエンドの世界からすると、少し作られた感じの音で、音の解像感はもう少し欲しい気もするのですが、家で使っているDS-DAC-10とは個性が違うので気に入っています。普段使っているイヤホン・ヘッドホンとの相性もあるので、もし視聴可能なお店が近くにあるならば、購入する前に普段使っているものをお店に持って行って視聴していただきたいところ。

まとめ

購入してみて、ポータブルヘッドホンアンプというのは予想していたよりもずっと効果があって、所有欲を刺激するデバイスだとわかりました。都心のカメラ系量販店に売り場が確保される理由も納得できます。

DAC-HA200意外にも5万円以下で充分楽しめるラインナップが揃ってますし、ソニーもPHA-1Aという機種をCESで発表していて近日中には国内で発表されそう(ただしPHA-1AはUSBしか入力がないけど)なので、ちょっと良いイヤホンを使っている方は視聴しに行ってみてはいかがでしょうか。