DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプONKYO DAC-HA200を買ってみた〜実はいろいろ繋がる、使える〜

ポータブルヘッドホンアンプには、アナログ入力しかない本当のヘッドホンアンプ、つまりヘッドホンをより強力に駆動するためだけの機能に特化したモデルもありますが、このDAC-HA200はDACの機能を内蔵していて実はかなり高機能。いろいろな機器に繋がります。

今回はいろいろな接続方法(全部ではないですが)を紹介していきましょう。なお、今回の話は兄弟機種であるTEACのHA-P50も同じです。

iPod classic/iOSバイスとの接続

DAC-HA200はiPod classic/iOSバイスと通常のDockケーブルやLightningケーブルで接続できる、というのがウリの1つになっています。特にiOSバイスの場合、発売当時はCamera Connection Kitでの接続が必要な機種が多かったようです。

まずはiPod classic。手持ちのDockケーブルの中で一番短いので接続してみましたが、USB側のコネクタが長めで格好悪いですね。なお、iPod classicに巻き付いているシリコンバンドはDAC-HA200に付属のものです。同じモノが2つ付いていますが、1個だけを使用したこの状態でiPod classicが抜け落ちるようなことはありません。
DSC09105.JPG
デジタル接続になるようで、クリアな音が楽しめますが、バッテリ消費がかなり激しいらしい。確かに、試しに少し聴いている間にも、バッテリのメーターが減るのが確認できました。

次はiPhone5SiOSバイス)。接続すると一瞬充電モードに入ったあとで充電が解除されます。これにより、iOSバイス側のバッテリ消費が抑えられます。iOS側の設定を切り替えているらしく、iOS7以降でしかこの接続はできないとのこと。
DSC09111.JPG
また、ONKYOOnkyo HF Playerというアプリを使うとハイレゾ出力も可能です。HF Playerでハイレゾ出力する場合、通常はアプリ内課金が必要ですが、DAC-HA200接続時には無料でハイレゾ出力機能が使えます。なお、TEACのHA-P50ユーザ向けには同等機能のHR Audio Player for iOSというアプリが提供されています。

PCとの接続

PCとUSB micro Bのケーブルで接続すれば、96kHz/24bit対応のハイレゾUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプになります。
DSC09116.JPG
DSDや192kHz/24bitには非対応ですが、これは価格を2万円台にするための選択らしい。Mac/Windowsともにドライバのインストールは不要です。

PCと接続できるポータブルなUSB-DACって、実は結構使い勝手が良いような気がするんです。例えば、出張や旅行などにノートPCと一緒に持って行けば、どこでも高音質で動画・音楽が楽しめます。ノートPCのヘッドホン出力って基本的に非力でノイズも酷いので、効果は非常に大きいはず。

また、PCに接続していると自動的に充電もされるので、使いながら翌日に向けての充電もできます。

光デジタル入力による液晶テレビやコンポとの接続

機種によってはないものもありますが、DACなので光デジタル入力端子もあります。ポータブルの音楽プレーヤーには光デジタル出力が付いた機種もないわけではないので、そういった機種を想定した入力だと思うのですが、個人的にはひと味違った使い方に注目したい。

それは液晶テレビとの接続。
DSC09100.JPG
大抵の液晶テレビには光デジタル出力が付いています。テレビには当然ヘッドホン端子も付いているわけですが、必ずしも質の良いものとは言えません。そこで、光デジタル端子から音を出力してDAC-HA200に入力すればかなりの音質改善になります。音楽系の番組などはかなり変わります。

ただ、、このDAC-HA200は2chのPCMしか入力出来ないので、テレビ側の設定として光デジタルからは2chのPCMにデコードされた音声を出力するようにしておく必要があります。非対応の形式で入力させるとノイズになります。

あとは純粋に、デジタル出力が付いたコンポのヘッドホン音質改善ってのも当然アリです。

アナログ音声入力によるウォークマンとの接続

最後は純粋に「ヘッドホンアンプ」として使う場合の話。下の例はウォークマンNW-A16。
DSC09107.JPG
Dock端子からライン出力して同じようにアナログで接続する方法もありますが、対応ケーブルが準備できなかったのでヘッドホン出力と接続しています。ライン出力のケーブルとしてはFiio L5などがありますが、大人気のようでどこも売り切れ。

なお、F880/ZX1/ZX2およびA10シリーズではWMC-NWH10というケーブルを使い、USB micro Bで接続することにより、デジタルで接続することもできる模様。ケーブルとしては変換ケーブル経由になるので持ち運びにくいですが、音質面では有利なのでそのうち試してみたいですね。

ケーブルにこだわることの必要性を考える

今回、いくつかの接続例を写真とともに紹介したわけですが、ケーブル接続があまり綺麗じゃない、ってのが気になりませんでしたか?

手持ちのケーブルの中で持ち運びしやすそうなのを選んだ結果、巻き取り式のケーブルでの接続、となったんですが、10cm以下のポータブルヘッドホンアンプ専用のケーブルと比べると嵩張るし、見た目も悪いです。ヘッドホンアンプを使っている人がケーブルも当然のように用意する理由って、音質もあるけど見た目や持ち運びやすさ、ってのも大きいんだろうなぁ、と思いました。

次回は音質について書きますよ。