iPhone Xの最初の3週間、TouchIDやホームボタン廃止の懸念は結局どうだったか?

iPhone Xを発売日に入手して3週間。家の中ではホームボタンのあるiPhone 6Sを併用しながら使ってきました。今回はTouchIDやホームボタン廃止の影響について。

結論から言えば、TouchIDやホームボタンがないことは自分の使い方では全く問題がなかったのですが、その理由について書いていきましょう。

まず、一番不安だったのが画面のロックを外す操作。

発表時、ディスプレイ消灯からホームボタンを開くまでの動作として紹介されたのは下記のような手順でした。

  1. 本体右側の電源ボタンを押してディスプレイを点灯させる
  2. Face IDの認証を待つ
  3. 認証が完了したら画面下部から上に向かってスワイプする

Face IDの認証を待ってからスワイプ、という手順はFace IDの認証が完了するまでヤキモキしそうですし、右側のボタンを押したあとで画面下から上にスワイプ、というのも、指の動きが非効率。実機が触れない状態では、非常に不安の残る手順です。

でも実際は、

  • いつでも画面をタップすればディスプレイは点灯する→本体右側の電源ボタンを押す必要はない
  • 2と3の動作は入れ替わっても良い→画面下部からスワイプしたあとにFace IDの認証が完了してもホーム画面が開く

という感じで「慣れた人のための操作手順」が実は用意されており、通常使用で不満をかんじることはありません。

Face IDについては、認識速度は特に問題はないものの、下記のような問題があります。

  • 画面との角度によってはカメラの画角を超えてしまい認証しない(例えば、机の上に置いた場合は少し覗き込まないと認識しない)
  • 横向き(ランドスケープモード)で端末を持っていると認証しない
  • マスクを付けていると認識しない

Face IDの認証に使うカメラの画角については、もう少し頑張って欲しい感じはします。認証させるために画面を覗き込むような動きが、癖になりつつあります。マスクについては、僕はマスクを普段使わないので問題ありませんが、冬はマスクを常につけている方には向かないのは確かでしょう。

最後にホームボタンの廃止について。

ホームボタンのシングルクリックについては、画面下部からの上方向へのスワイプ動作がほぼ完全互換なので、ここはすぐに慣れます。

Siriについては僕は基本使わないのでなんとも言えませんが、タスクリストを開く動作については「画面下部からの上方向へのスワイプ動作」を「途中で止めてホールドする」という動作の必要があるとされていましたが、実際は「画面下部からの上方向へのスワイプ動作」の「途中から左右のどちらにスワイプして離す」、つまり、逆L字のようなジェスチャー動作をすることでもタスクリストを開くことができます。この動作だと、従来のホームボタンダブルクリックよりも操作自体はやりやすいかもしれません。

ただ、アプリを閉じるためにはその状態でどれかのアプリを長押しして、「タスクを終了するモード」に入らなくてはなりません。「アプリをユーザが明示的に終了する必要は本来ない」というAppleからのメッセージのような気もしますが、iPhone 6Sでは動作は今まで通り(アプリを上スワイプで終了)なのは少し納得がいかない感じはします。

そんなわけで、いくつか気になるところはあるものの、TouchIDやホームボタン廃止についての発売前の心配は、これまでiPhoneを使い続けてきたユーザとしては慣れで解決するものがほとんどで、杞憂に終わりました。

一方で、アプリのUI関連では1つだけ、操作がわからなくてしばらく悩んでしまうものがありました。それがコレ↓

「ダブルクリックでインストール」と画面に表示されていて、実際は「右側の電源ボタンをダブルクリック」しなくてはいけないのですが、この表現だと画面のどこかをダブルタップするのだと思いこんでしまうのが普通ではないかと思います。これはUIの翻訳のミスでしょうね。「右の電源ボタンをダブルクリックでインストール」とちゃんと説明すべきです。