簡単な説明とリリースページへのリンク
マルチプラットフォームのマウス・キーボード共有アプリのSynergyは、Windowsは日本語キーボードのみにあるキーに対応していますが、macOS版は日本語(JIS)キーボードの「英数」「かな」キーには対応していません。また、使用頻度の高い「¥」キーも飛ばない、という問題があります。
それらの問題に対し、MacOS側をサーバ(マウス・キーボードがつながってる側)、Windows PCをクライアントが前提、その他いくつか制約もありつつも、工夫次第でJISキーボードを使えるようにしたのがこのバイナリです。キーコードの定義をいくつか追加した以外はコードの修正はしていません。ダウンロードと簡単な使い方は下記にありますので、ご参照ください。
こちらでは言い訳などをつらつらと書いていきます。
作らなかった理由(言い訳)
最近、このブログに「もうSynergyのバイナリは作らないのですか?」という旨のコメントをいただきました。
過去、別のUIを持ったMac版のSynergyであるSynergyKMが公開されていた頃から、定期的にビルドしては公開していたのですが、最近はすっかり作っていませんでした。
作らなくなった理由は、MacBookの買い替えなどによって以前のビルド環境を壊してしまい、もう一度作ろうとしても作れなかった、というものです。
以前のSynergyのコンパイル方法のドキュメントは、ビルドスクリプトのpythonファイルを自分の環境に合わせて書き換える(これはちょっと前だと割と普通かもしれない)、とか、ビルドに必要なQtのバージョン指定がよくわからない、とか、そもそも内容が古くて現状と合ってない、とか、かなりめげる内容でした。
コメントをきっかけに確認してみると、かなりいい感じに更新されていました。
macOSのところを見ると、Qtのバージョンやインストール時の注意なども書かれていて、非常にわかりやすい。ちょうど古いmacOSのPCも手元にあったので「これならビルドできそう」となったわけです。
synergys/synergycのみの公開になった理由
簡単です。
アプリケーションパッケージを含めてビルドできなかったから。
もともとフリーだったSynergyですが、現在は設定GUIなどを含めた有料アプリケーションになっています。以前はフリーで公開されていたNightly Buildもなくなってしまいました。これは、Stable版直前のNightlyBuild版をそのまま使用してしまう人が多かった、ということなのだと思います。
現状公開されているプロジェクトの名前がsynergy-coreとなっていることを考えると、公開されているのはGUIの動作などを省いたオープンソース部分のみ、という感じなのかもしれません(ごめんなさい、ちゃんと調べてないのでわからず)。
私は有料版のライセンスを買っていますし、公開したバイナリも、有料版のsynerygs/synergycを置き換えて使う、という想定です。WindowsのUAC関連にもちゃんと対応してアップデートしていますので、みなさんもライセンスを買っていただければと思います。まあ、今どき通信が暗号化されないのはありえないので、購入する場合はPro版で。
今後については
まず、ARMのMacについては、特にMacアプリの開発者でもなんでもないので、発売されて自分のMacを買い替えでもしない限りは何もできないと思います。Synergy本体が対応して、クロスコンパイルの方法をドキュメントで出せば、追従するかもしれません。
ちなみに、synergys/synergycのみとなったことで、本体のSynergyがバージョンアップしても、こちら側は追従してアップデート版を用意しなくてもそのまま使えるかもしれません。私ももうしばらくはMacとWindowsの両方を使用する予定ですし、ビルド環境も再度作ったので、以前よりはビルドしやすくなるとは思いますが。
あとは、下記のような記事が最近ちょっと話題になりましたので、「英数」「かな」キーのWindowsキーボードへの割当先は、変えてもいいかもしれません。
以上です。