WWDC 2021基調講演で気になったもの

Untitled

Appleの開発者向けカンファレンス、WWDC 2021の基調講演が日本時間の6/9(月)午前2時から2時間弱に渡って行われました。2018年モデルの15インチMacBook Proの買い替え候補が出ると期待していたのですが、今回はハードウェアは発表されず。

WWDCは本来、(主に)ソフトウェア開発者のためのイベントですから、ハードウェアが主役になる必要はありません。

ただ、ここ数年、iPadOSの大幅な機能強化やmacOSARMアーキテクチャへの移行など、プラットフォームとして大きな発表が続いていたのと比較すると、ソフトウェアに関する発表会と考えても小粒な機能ばかりが発表されたイベントだったように思います。

よくよく考えてみると、非常にGoogle I/OとかMicrosoft Buildに近い感じでまとまっている気もしますね。そして、それらのイベントで見たことがあるような機能ばかりが発表されたような印象もあります。

ただ、国内でも利用可能と考えられ、個人的に気になったのは「ユニバーサルコントロール」とmacOSのAirPlayレシーバー対応でしょうか。

まず、ユニバーサルコントロールは次世代のmacOS「Monterey」の新機能で、「MacのカーソルをiPadの方へ動かすだけでiPadが自動的にカーソルを認識する。これにより、iPadMacのセカンドディスプレイとして利用する際に、よりシームレスな作業を実現する。」というもの。

これ、機能的には完全にSynergyですよね。

現状、Synergyを使って、メインをMacBook Proとし、サブのデスクトップWindows PCには基本的にはマウスもキーボードも繋がず、MacBook Proに接続しているマウス・キーボードで操作していますが、今度は横においたiPadの操作もできるようになる(OS内部的なイベント受信が競合して同時に使えないかしれないけど)。

iPadYouTubeで見たり、SNSを開いたりしたときに、iPadの画面をタッチしなくても使えたり、キーボードを別途用意して置いておかなくて良いのは非常に魅力で、Mac+iPadを普段使っている人にとっては非常に有用な機能になりそうです。

一方、macOSのAirPlayレシーバー対応はその「逆向き」の機能で、iPadiPhoneで操作しているときに、動画や編集中のデータのプレビューをMac上に表示できます。

AirPlayのレシーバー機能はApple TVや一部メーカーのテレビにも内蔵されている機能ですが、最近のiMacはディスプレイへの外部入力機能がなくなっています(昔はありました)し、Mac+iPadの組み合わせでもペンを使う作業などはiPadの方がしやすいこともありますから、面白い機能だと思います。

個人的には、OS純正の機能としてこういった「マニアックな」機能が追加されるようになったのは嬉しいこと。PC(macOS)をAirPlayレシーバーにするとか、普通の人はやりたいとも思わないし、想像もしないじゃないですか。

それをAppleが利用シーンを提示した上でウリの機能として、一定以上の完成度で提供する、ということは、Appleは「複数デバイスの組み合わせによる、よりクリエイティブな使い方をプラットフォーマーとして提案している」わけで、これは競合他社とは少し異なる視点だと思います。

起きてライブで観てたのに期待していた製品(MacBook Pro)が出なくてがっかりしていますが、これら機能の提供開始を楽しみに待ちたいと思います。