自分は使ったことがないのであまり詳しくないんですが、ビジネス向けPCの中には「シンクライアント」いう分野のモデルがあります。業務上重要なデータを手元に置かないようにするためにリモートデスクトップの技術を使っているものが多いようなんですが、これが中古PC屋さんに安く出回ることがあります。
で、これらの「シンクライアント」の中には「中身は普通のPC」というのが結構あり、OSを入れ替えたりして遊べるわけです。
ちょっと気になっていたところに秋葉原のイオシスにHP製のノート型のモデルが100台単位で入荷した、というツイートを見かけたので買ってきました。
買ってきたのはHP mt45 Mobile Thin Clientという2019~2020年頃に販売されていたモデルで、ざっくり下記のようなスペック。
販売価格はACアダプタ付属、保証なしで2万円。エルミタージュ秋葉原で記事になってますね。
同じモデルの他の店の販売価格を調べるとちょっと高めな印象も受けましたが、外装こそ輸送時などに若干雑に扱われた印象があるものの、キーボードは手垢などの汚れなし、出荷後電源投入もされていないと思われる未使用品。
このHP mt45 Mobile Thin Clientですが、ベースとなったのはHP EliteBook 745 G6というモデルのようです。HPのビジネス向けノートPCのラインナップは下からhpシリーズ、ProBook、EliteBookなので、筐体としては最上位モデルと同等のものが使用されています。ロゴもプレミアムロゴです。
高機能・高性能なCPUなどを搭載することを想定した設計のためか、重量はちょっと重めの1.53kg。個人的には1.3kgを切ると軽く感じるんですが、これはちょっと重いですね。
同じモデルが日本国内では販売されていたのかはわかりませんが、キーボードはちゃんと日本語。エンターキー周りのキーが大きすぎますが、これは英語キーボードだと右に一列あるのを潰した結果のよう。
入力デバイスは一般的なトラックパッドだけでなく、ThinkPadのトラックポイントのようなスティック型のポインティングデバイスも搭載しています。トラックパッドはWindowsで適切なドライバを入れた状態では非常にスムーズに動作、使いやすいです。こういうところはベースモデルの価格帯が反映されています。
あと、どう使うのか知りませんが、なぜかスマートカードスロットが付いてます。社員証かなんかで認証するんですかね。
CPUはZen+アーキテクチャのRyzen3で4コア4スレッド、ThinkPad E495と同世代の下位モデルになります。ブラウザでWebを見るといった作業なら快適にこなせるスペック。
HDMI端子は2.0対応で、4K60Pで出力できます。ただ、CPUのスペック的には4K60Pでの動画再生はちょっと厳しそうに見えます。
USB-C端子は付いていて充電もできますが、AMDなのでThunderboltには非対応。USB-Cからの映像出力は4K60PとUSB3.0が排他(BIOS画面で設定変更)になる仕様です。USB-Cで充電が出来るので、ピンタイプの専用ACアダプタも付いてきましたが、これは普段は使うことはないですね。
ディスプレイはノングレア、IPS方式の14インチフルHD。液晶パネルの品位はビジネス向けと考えると良い方だと思います。
使い道ですが、余っていたメモリとSSDに交換し、メモリは12GB(8GB+4GB)、SSDはMVMeの512GBにして、OSもライセンスが余っていたWindows 11 Home(本体に通常のWindowsのOEMライセンスは紐づけられていないので別途ライセンスが必要です)をインストールして、家の中でちょっと使えるノートPCとしてセットアップしました。
そういう用途のノートPCとしてThinkPad E495があったんですけど、今は長男がほぼ専有していて、そうなると10年もののThinkPad X220か、SoCが遅いASUS Chromebook Detachable CM3あたりになってしまうので、さすがに使ってて辛かった。
このHP mt45 Mobile Thin Clientは画面解像度も必要十分で、キーボードやポインティングデバイスの使いやすいし、メモリとストレージを強化して性能面でも問題ないので、結構満足しています。筐体がEliteBookベースなので、「なんちゃってThinkPad 」のThinkPad E495より正直言って使いやすい。
このブログ記事を書くのにも非常に快適で、良い買い物でした。